晩香廬

晩香廬(ばんこうろ)
所在地:東京都北区西ヶ原2-16-1 飛鳥山公園内
竣 工:1917年(大正6年)11月
設 計:田辺淳吉(清水組技師長)
施 工:合資会社清水組(現・清水建設)
構 造:木造平屋建、寄棟造、赤色桟瓦葺
国指定重要文化財:2005年12月27日


2019年4月20日撮影

沿革・概要

晩香廬は、渋沢栄一の喜寿を記念して当時の清水組(現・清水建設)より贈呈された小亭(談話室)です。木造平屋建、寄棟造、赤色桟瓦葺で、建物全体は洗練された意匠と精緻な造形により、工芸品ともいうべき建築作品に仕上げられています。「洋風茶屋」として作られている晩香廬は、丈夫な栗材を用いて丹念に作られ、暖炉・薪入れ・火鉢などの調度品、机・椅子などの家具にも、設計者の細やかな心遣いや遊び心が見られます。

暖炉上部の菱形にデザインされたタイルには「壽」の文字がデザインされており、ハートをモチーフにした室内装飾や照明器具、完全な洋風ではなく和風の要素も取り入れた室内など、所々に職人の遊び心がみられます。

渋沢栄一は内外の賓客をここに迎え、歓談を交えながら多くの交流をしています。歓談の場として中心になったのが談話室で、家具調度品は当時の面影をそのまま残しています。

晩香廬命名の由来:晩香廬は1918年(大正7年)、渋沢栄一によって命名されています。由来は菊の花からきています。とある園遊会で「菊の花だけは晩節の香あり、後れて節を守るやうな香がする」と述べました。のちに、栄一自作の漢詩の一節「菊花晩節香」になるわけですが、菊を晩香の象徴であるといい、「晩節を清く」という想いを込めているのです。

晩香廬へのアクセス

住所:東京都北区西ヶ原2-16-1 飛鳥山公園内
最寄り駅:JR京浜東北線王子駅南口下車 徒歩5分、東京メトロ南北線西ヶ原駅下車 徒歩7分

晩香廬フォト

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