【街道歩き】成田道を歩く③(木下~成田)

成田道歩き3日目、前回のゴール木下駅からスタート。所々晴れ間の見える、街道歩きにはちょうど良い気候だ。

木下~小林

木下駅を9:10にスタート。今日は残り20Km強、成田道終点の成田山まで歩きたい。まずは、突き当りを右折し木下河岸方面に向かう。

「銚子屋」は江戸時代より続く老舗旅館です。この木下地区は、その昔「木下河岸」として、江戸時代から明治時代にかけて、利根川の下流域と江戸を結ぶ中継地として、この木下地区は栄えていました。

吉岡まちかど博物館は、江戸時代より利根川舟運で栄えた木下河岸で河岸問屋を営んでいた吉岡家が、明治24年(1981)に建てた土蔵を、多くの市民ボランティアで再建し、保存活用している歴史的文化財の建物です。

木下河岸は、竹袋村の大字のひとつで、布川(現利根町)との渡し場として成立しました。渡し場として利用されていた木下は、明暦年間(1655~57)頃から河岸としての性格が強まります。のちに江戸へ運ぶ年貢米の河岸として公認されました。
銚子で水揚げされた魚を、ここ木下河岸で陸揚げし、松戸の鮮魚街道を夜通し馬をひいて、江戸まで届けたという歴史もあります。

ここを右折し国道356号を進みます。

左に進む道が旧道です。

ここを右折すると小林駅。本日は、そのまま直進します。

小林~安食

ちょっと寄り道で次の信号を左折し、将監川へ向かいます。将監川は利根川の旧派川で、かつては「枝利根川」とも呼ばれました。栄町西付近にて利根川より分派し、栄町和田の長門橋下流にて長門川に合流する河川です。

利根川の第二期改修工事において将監川締め切り工事が行われ、以降は長門川にのみ接続しています。現在は名称上「川」として親しまれているものの、利根川水系の指定河川には含まれておらずさながら「湖沼」として扱われています。

水神社は、創建は新田開発の頃と思われます。石碑によると、水害が何度もあったこの辺りは、大正時代後期に利根川の堤防工事と将監川の締切が完成。洪水の危険はなくなり神社は時代の流れにより荒廃していたが、住民の整備したいとの声により神社は整備され遷座したとあります。

安食卜杭の交差点を過ぎると、長門川にかかる長門橋が。この橋のたもとに昔は渡しがあったそうです。

大鷲神社は12月の酉の市の日には多くの参拝客で賑わいます。

踏切を渡ると安食駅はすぐそこです。

安食駅に到着。いったん、休憩します。

安食~下総松崎

ここから成田山までは、いわるゆ安食街道と呼ばれた道を歩く。
江戸川を上り関宿に出て、利根川を船で布佐-木下-安食まで下り、そして徒歩で大竹-松崎-山口を通り新勝寺へというルートがあったが、安食からの徒歩ルートが安食街道である。

安食から大竹地区までは左手に成田線を見ながら、のどかな田園風景が広がる平坦な道になります。

下総松崎~成田山

安食と成田の中間に位置する松崎は、押畑、宝田、龍角寺(栄町)などへ行く分岐点でもあったため、交通の要所でもあり旅人の休息所でもありました。江戸時代末期の安政七年(1860)、村の商売を記した「松崎家名書」には旅籠屋・荷鞍屋・馬喰のほかに20種類もの食料品を商う店が書かれています。
成田詣の旅人が増え、さまざまな農閑商いを営む村人が現れ松崎は町化した村に変わりました。そして、明治も中ごろになると現在の県道が作られ、難所を通ることなく成田山へ行けるようになったようです。

成田西陵高校入口の案内板の反対側に「東なりた・しば山、西あじき・りうゲ崎、北なめ川・さワら、南 青面金剛」と刻まれた道標があります。


ここを過ぎ間もなくすると松崎地区に入るS字の坂道。寿司屋の手前を右に折れ松崎保育園前を通る細道が旧街道です。道幅が急に狭くなり、安食から成田に向かう街道最大の難所といわれた坂道です。

現在の湯川車庫バス停付近に建つ千把ケ池跡の地蔵菩薩像。

左に曲がると下総湯川駅。

嘉永四年(1851)、上福田村の弟吉が成田山に参詣したときの紀行文の中に、現在の玉造の湯川車庫バス停付近から山口の雷神社前までの街道の情景が書かれています。昭和40年ころまであった千把ケ池にまつわる伝説、街道には並木が続き、茶屋では名物の三度栗や田舎饅頭が売られていたと記されています。また、湯川車庫の湯川という地名は、昔はお湯が流れていた川から付けられたものです。

雷神社の鳥居。第34代欽明天皇ゆかりの古社です。

「こま木山道」の道標。こま木山=護摩木山のことで、新勝寺で護摩を焚たくのに用いる杉の木を切り出す山があり、現在の美郷台浅間公園あたりまでがそうでした。建碑者は武蔵野国(=武州)埼玉郡岩槻の栗原講社などの信者です。

NTT成田支店の裏道には、かやの大木の下に三竹山道祖神・道標を兼ねた十五夜塔・六地蔵などがあります。見事な枝ぶりは往時の街道のにぎわいをしのばせてくれます。

成田不動尊へ向かうための道標。

鰻の名店「川豊」

成田山参道を抜け、ゴールはすぐそこです。

成田山山門へ到着しました。

街道歩きログ

2023年4月8日(日)
ルート:木下~小林~安食~下総松崎~成田山
走行距離:21.7km
所要時間:5時間15分
成田道完遂。初の20Km超えということもあり、相当体力は消耗したの事実だが、20Km超えを無事にやり切ったということでは、今後の街道歩きをするにあたり良い指標となった。

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